外国人のインターンシップとは?
海外にいる大学生が授業の一環として、もしくは休暇などを利用して企業などに職業体験をすることです。
学生は日本の企業で働く経験を通して、視野を広げたり日本流の仕事のやり方を身につけることができます。また、企業側も早い段階で優秀な学生を発掘でき、学生本人の資質がわかるなど双方にメリットがある手段として注目されています。
概要
インターンシップ生は1年以内で企業の研修を受けることができます。
日本学生のインターンシップとは何が違うのか?
日本であれば、インターンシップは「就職体験の一環」として行うことが多く、自分の興味のある業界や企業に行けるということで、仕事への意識が高い学生が多いイメージです。
しかし、外国人のインターンシップでは「学習の一環」として行われることが多いです。わざわざ海外へ出てインターンシップをする学生は、優秀な人が多いでしょう。しかし一部、「単位目的」の学生がいるのも事実です。
この意識の違いに注意して外国人インターンシップを検討してください。
外国人インターンシップのメリット・デメリット
外国人をインターンシップとして迎え入れると、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
外国人インターンシップのメリット
【採用企業の視点】
- 企業内の国際化が広がる
- 社員のマネージメント能力が上がる
- 優秀な人材を確保できる
企業の国際化が広がってくれば、社員のモチベーションも上がっていきます。外国人とコミュニケーションをとることで視野が広がり楽しく感じられるはずです。
また、マネージメントの勉強にもなります。言葉が通じなかったり、日本の文化なども細かく伝えていったりする必要があるでしょう。このような経験を通して、マネージメント能力を向上させることができるようになります。
さらに、優秀な人材を確保できることもメリットといえます。本来であれば、自分の国で就職する方が簡単なはずです。あえて海外で働こうとする学生は、冒険心・向上心のある優秀な学生が多いです。
【外国人インターンシップ生の視点】
- 就職への意識が高まる
- ビジネスマナーを知ることができる
- 企業の雰囲気がわかる
学生と社会人では生活の仕方が変わってきます。日本は海外と比べても、集中し組織として仕事をする方が多くいます。働くことの大変さや難しさを感じて、就業する意識が高まってくることでしょう。
また、ビジネスマナーや企業の雰囲気を知ることができます。インターンシップ中に企業をじっくりと知ることができるのはメリットといえるでしょう。
外国人インターンシップのデメリット
【採用企業の視点】
- トラブルが起こったときに手間がかかる
- 生産性が下がる
基本的に短期間の就労ですので、大きなトラブルは起きにくいと考えて良いでしょう。しかし後で詳しく書きますが、事故やケガなどが起こったときに保険が適用されないケースもあるため万が一起こった場合は対応が大変なこともあります。
また日本語などの教育に手間を取られすぎると、社員の生産性が下がってしまうことも懸念事項として挙げられるでしょう。
【外国人インターンシップ生の視点】
- 孤独感
- 母国での人間関係の不安
単身で外国に来た場合は、周囲は日本人ばかりになります。孤独を感じることも多くなるでしょう。文化の違いや言葉の壁など精神的な負担を感じてしまうことも考えられます。
また、大学時代は勉強だけでなくサークル活動や友達づくりなど人間関係も大事にしたい時期でもあります。海外に行くことで、こういった母国での人間関係が薄くなることも不安に思っている学生もいます。
外国人インターンシップの学生が日本に期待している事とは?
外国人が企業で働く理由として、「日本が好きだから」というのはよく挙がります。
日本は治安が良かったり、福利厚生が充実しているなど安心して過ごすことができる環境が整っています。こうした魅力に惹かれてインターンシップ先として日本を選ぶことは多いでしょう。
また、日本のアニメ・ゲームが好きという外国人も多くいます。「文化や習慣を身近に感じたい」という理由で日本でのインターンシップを考えるケースもあるようです。
外国人インターンシップの始め方
日本でのインターンシップをする場合は、企業と相手先の大学の間で協定を結ぶことが必須になります。
こちらは弊社で海外大学との親密なネットワークがありますので、詳細はこちらからお問い合わせください。
インターンシップを行う場合は、学生が卒業時に「学士」を取れるようにすることが必須条件になります。そのためインターンシップを始める際には、学業に支障が出ないように期間や内容を決める必要があります。
勤務形態
外国人インターンシップの学生はどのような勤務になるのでしょうか?初めて外国人インターンシップの学生を採用する場合、勤務時間は?どのような仕事を任せれば良いの?など分からないことが多いと思います。ここからは勤務について解説します。
勤務内容
勤務内容については、インターンシップ生が大学で専攻している内容とかけ離れないように心がける必要があります。農学部であれば農業・商学部であればマーケティングなどのように労働内容にも気を配るようにしましょう。
ほかにも日本語を専攻している学生などに対しては、コミュニケーションの機会を増やしてあげると満足度が高まります。会話などを通して、日本語を学べるような配慮をお願いします。
勤務時間
原則、日本の学校に通っている留学生は1週間で働くことができる時間は28時間と決められています。ただし決められた条件を満たすと28時間以上働くことができ通常勤務の日本人と同様に労働基準法に基づいての勤務が出来ます。
28時間以上働くことができる条件とは?
・大学4年生、修士2年生、博士3年生かつ卒業のための単位を修得している
・就職活動など特定の活動目的を持っている
・大学4年生、大卒者で大学で学んだ専門知識を活かすことができる
・専門学校2年生、専門卒で専門学校で学んだ専門知識を活かすことができる
勤務期間
勤務期間については、通常のインターンシップと「サマージョブ」と呼ばれる夏季休暇での取り組みがあります。サマージョブについては、学校の授業がない時期に行うようになっています。
給与
給与については、会社側が出す場合と報酬なしで働く場合があります。後で詳しく書きますが、取得する在留資格が変わってくるので注意しましょう。報酬なしで契約した場合でも、宿泊費や交通費については支給することがあります。
外国人インターンシップの注意点
外国人に限ったことではありませんが、「情報漏えい」や「売り上げの妨害」などへの影響は考える必要があります。
インターンシップを行う学生は意識の高いことが多いですが、会社に不利益をもたらすインターンシップ生が来る場合も考えられます。自分の会社を守るためにも前もって誓約書を交わすなど、トラブルが起きないように心がけましょう。
在留資格の種類に関する注意点
インターンシップに関する在留資格については、大きく分けて4種類あります。
- 特定活動(インターンシップ)
- 文化活動
- 短期滞在
- 特定活動(サマージョブ)
報酬の有無・大学の単位・滞在日数などによって取得する在留資格が変わってきます。企業から報酬を受ける場合は、在留資格「特定活動」の取得になります。
報酬が出ない場合は滞在日数が90日以上であれば「文化活動」、90日以下であれば、「短期滞在」になりますので注意しましょう。
保険関連の注意点
外国人インターンシップの保険についても、条件はありますが加入をすることができます。公的なものではカバーされないケースもあるので、民間の保険を検討するなど企業側でも考える必要があります。
雇用保険
外国人インターンシップ生は、原則として雇用保険は適用されない形になります。しかし、労働時間が長い場合は加入するケースもあるようです。
社会保険
正社員の3/4以上の労働である場合は社会保険に加入する必要があります。働く時間を計算しつつ、忘れずに入るようにしましょう。
その他の注意点
学生の扱い
外国人のインターンシップを受け入れる時に、注意すべきなのは「文化や慣習の違い」でしょう。日本人は主張が少なく、他の国に比べて空気を読む傾向が強いといわれています。
また、物事をあえて曖昧にするところもあります。
記事の最初にも書きましたが、インターンシップ生には優しく接しながらも日本の仕事スタイルをしっかりと伝えていくことも必要になります。温かくしつつ、毅然とした態度で学生に接することが大切です。
インターンシップ中の病気・事故
インターンシップの労働が一定時間を超えると、日本人と同じように社会保険に入る形になります。万が一病気になっても、医療保険が適用されます。また、事故についても労災保険が適用される場合もあります。
この辺りは、雇用関係があるかどうか等の条件で変わってきますので詳細はこちらからお問い合わせください。