政府は日本の労働力不足を積極的に解消すべく在留資格「特定技能1号・2号」などを創設し施策を進めていますが、最新(2020年10月時点)の外国人雇用状況はどのようになっているのでしょうか?
日本の政策の歴史の振り返りと、外国人雇用の現状を見てみましょう。
日本の外国人労働者政策の歴史
西暦 | 政策 |
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1951 | 出入国管理令の公布と施行 |
1982 | 出入国管理および難民認定法の改正 |
1983 | 留学生10万人計画の策定と発表 |
1990 | 出入国管理および難民認定法の改正 |
1993 | 特定活動に「技能実習」を追加 |
2008 | 留学生30万人計画の策定・発表 |
2009 | 出入国管理および難民認定法の改正法公布と在留資格「技能実習」を創設 |
2012 | 高度人材ポイント制を導入 |
2016 | 在留資格「介護」を創設 |
2019 | 在留資格「特定技能1号・2号」創設と特定活動に「46号・47号」を追加 |
在留資格別外国人労働者の推移
- 外国人労働者を雇用している事業所数は267,243か所
- 外国人労働者数は 1,724,328 人
- 令和元年 10 月末現在の 242,608 か所、 1,658,804 人に比べ、24,635 か所(10.2%)、65,524 人(4.0%)の増加
- 対前年増加率は、事業所数で前年 12.1%から 1.9 ポイントの減少労働者数で前年 13.6%から 9.6 ポイントの大幅な減少
外国人労働者数は 1,724,328 人。前年比で 65,524 人(4.0%)増加し、過去最高を更新したが、増加率は前年の13.6%から大幅に低下(9.6 ポイント減)。平成 31 年4月に創設された「特定技能」の労働者数は7,262 人。
(参考:厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】P2(令和2年 10 月末現在)』)
産業別外国人労働者数の推移
対前年増加率は
- 「宿泊業、飲食サービス業」が-1.8%(前年比 13.4 ポイント減)
- 「製造業」が-0.3%(同 11.6ポイント減)
- 「サービス業(他に分類されないもの)」が 3.9%(同 11.7 ポイント減)
- 「卸売業、小売業」が 9.2%(同 5.0 ポイント減)
産業ごとに異なるもののいずれも前年と比較して低下
産業別にみると、「宿泊業、飲食サービス業」等において対前年増加率が低下しており、新型コロナウイルス感染症の影響等により雇用情勢に厳しさがみられる中、外国人労働者についても影響が生じているものとみられる。
(参考:厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】P3(令和2年 10 月末現在)』)
外国人労働者の属性
- ベトナムは、前年比で42,672 人(10.6%)と大きく増加
- ネパールについても前年比で7,858 人(8.6%)の増加
- ブラジルは前年比で4,343 人(3.2%)減少
- ペルーが前年比で 500人(1.7%)減少
- ベトナムでは「技能実習」が 49.2%、次いで「資格外活動」のうち「留学」が 28.7%を占める
- 中国では「専門的・技術的分野の在留資格」が 29.2%、「身分に基づく在留資格」が 28.4%、「資格外活動」のうち「留学」が 19.0%、「技能実習」が 18.3%を占める
- フィリピンでは「身分に基づく在留資格」の割合が 70.0%を占めており、その内訳をみると「永住者」がフィリピン全体の 41.4%を占める
- ブラジルでは「身分に基づく在留資格」の割合が 98.9%を占めており、その内訳をみると「永住者」がブラジル全体の 48.1%を占める
- インドネシアでは「技能実習」が 62.3%を占めており、ネパールでは「資格外活動」のうち「留学」が 44.3%を占める
労働者数が多い上位3か国
- ベトナム 443,998 人 (全体の 25.7%) 〔前年 401,326 人〕
- 中国 419,431 人 (同 24.3%) 〔同 418,327 人〕
- フィリピン 184,750 人 (同 10.7%) 〔同 179,685 人〕
増加率が高い上位3か国
- ベトナム 443,998 人 [前年比 10.6%増] 〔前年 401,326 人〕
- ネパール 99,628 人 [同 8.6%増] 〔同 91,770 人〕
- インドネシア 53,395 人 [同 4.0%増] 〔同 51,337 人〕
(参考:厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】P5,6(令和2年 10 月末現在)』)